【解説】自己破産にメリットはあるのか?自己破産の8つのメリット紹介

woman
自己破産のデメリットはよく聞きますが、メリットはあるのでしょうか?
concierge
確かに、デメリットに比べるとメリットは多くないのが事実です。
woman
そうなのですね。
concierge
ただ、自己破産をすることで借金を合法的に免除するというメリットは他の債務整理方法にはない、メリットであるといえます。
woman
どういうことですか?
concierge
他の債務整理では借金を減額することはできても免除することはできません。
woman
免除できるのは自己破産だけなのですか?
concierge
借金を免除する方法には、借金の時効を利用するものがあります。ただ、この方法は自己破産よりリスクがあります。

今回は、自己破産のメリットについて紹介をします。自己破産をする以上、自己破産のデメリットばかりを見ては正しく判断することはできないので、ぜひ、判断材料の1つにしてください。

自己破産とは?

自己破産は債務整理の1つの種類になります。

債務整理は、

  • 任意整理
  • 特定調停
  • 個人再生
  • 自己破産

この4種類が債務整理となります。

これらの中で、自己破産と他の債務整理は明確に異なる点があります。それが「借金の免除」です。他の債務整理は借金のリスケジュールや将来利息のカット、元本の減額はあります。しかし、必ず返済をすることが前提となります。

そのため、任意整理や個人再生と自己破産を比べた場合、

  • 自己破産:収入がないほど成立する可能性が高くなる
  • その他の債務整理(任意整理・個人再生):収入が多いほど債務整理が成功しやすくなる

このような違いがあります。なぜなら、他の債務整理は借金を返済することが前提条件になるからです。

ただし、収入が少ない、収入がないというだけでは自己破産は成立しないケースもあります。借金があり収入がない現状だとしても「支払不能状態」かどうかを判断するのは裁判所によるからです。

そのため、基本的に借金額に対して、収入が小さく資産もなければ自己破産は成立します。しかし、例外があり、借金を作った人に信用があり、金融機関からお金の融資を受けることができる状態の場合では、自己破産の成立は難しくなるので注意が必要です。

なぜなら、資金を自力で調達することができるので、自己破産の要件である「支払不能状態」とは裁判所では判断されないのです。

支払不能状態とは、現在そして将来的に継続して借金の返済をすることができない状態を指します。ということは、借金をしてでもお金を用意できるのであれば支払不能状態とはならないのです。

また、自己破産は他の債務整理とは異なり、なぜお金が無くなったのかという点も重視されます。たとえば、ギャンブルや浪費癖が原因で借金を作り支払不能状態になった場合、原則としては免責不許可事由に該当します。つまり、借金の免除はされないということです。

他の債務整理については、どのような理由で借金をしたとしても、任意整理であれば結局返済をするので、そこまで問題とはなりません。個人再生も借金の額は原則5分の1まで減額しますが、借金を作った理由により不許可になるということはありません。

ただし、ギャンブルや浪費癖が原因で借金をした場合、自己破産の手続きの一つである管財(少額管財)事件を利用することで、破産管財人を選任し、反省している態度をみせ、場合によっては一部弁済をすることで自己破産の免責許可が確定(裁量免責)することもあります。
concierge
つまり、自己破産は他の債務整理とは性質の異なった債務整理の方法であるといえます。

自己破産のメリット

自己破産のメリットについて紹介をしていきます。

自己破産のメリットについてですが、

  1. 借金がなくなる
  2. 強制執行がされなくなる
  3. 債権者との調整をする必要がない
  4. 一定期間借金をすることができなくなる
  5. 一定の財産を合法的に残すことができる
  6. 自己破産の弁護士費用は安い
  7. 生活保護を受ける場合に利用できる
  8. 自己破産後に得た収入はすべて自分のもの

このようなものがあります。

1.借金がなくなる

自己破産の最大のメリットは借金がなくなるということです。債務の免責などとも呼ばれますが、合法的に借金をチャラにすることができます。ただし、税金などの支払い義務がある債務や慰謝料、賠償金のようなものは免除されませんので注意をしましょう。

ただし、その他の借金はすべて免除されますので、経済的に困窮していたとしても更生をはかることができやすくなります。

他の債務整理は3年~5年をかけて全額、もしくは減額された額を全額返済しなければなりません。つまり、経済的に苦しい時期が債務整理の手続きをとった後、3年~5年続くと考えれば、2ヶ月~1年程度ですべての手続きが終了する自己破産という方法は、経済的な更生という点で考えた場合非常にメリットのある選択であるといえます。

しかも、個人再生のように利用要件に借金の限度額はありません。そのため、莫大な借金があっても自己破産の要件さえ満たしてしまえば、税金などの借金は除くとして、借金は免除されます。

 

2.強制執行がされなくなる

自己破産をした時点で強制執行がなくなります。現在、消費者金融業者や銀行などの取立は貸金業法という法律にのっとりおこなわれています。そのため、ドラマや漫画のような厳しい取立というものはありません。闇金の場合は存在自体が違法であり、厳しい取立をしてきます。

ちなみに、消費者金融業者はなんとなく取立が怖いイメージがありますが、もっとも取立が怖いのは国税局です。どの取立業者よりも容赦なく強制執行にて給料の差押えをしてきます。

自己破産の申立てをして破産手続が開始されると、強制執行にて差し押さえられていた給料の差押えを停止することができ、それ以降の差押えも停止することができます。

裁判所に自己破産の申立てをしますと、裁判所は各金融機関へ「意見聴取書」を送付します。これは、裁判所が金融機関の意見を確認するために送付する書類ですが、この書類には取立を規制する効果があります。

このように合法的に強制執行の効力を無効化することが、自己破産の場合可能です。個人の私的な話し合いにて和解を目指す任意整理の場合では、強制執行を止めることは不可能です。

3.債権者との調整をする必要がない

自己破産の場合、債権者の同意を一切必要とせずに問答無用で手続きを進めることが可能です。債権者との調整などをする必要は一切ありません。

裁判所が粛々と処理を進めてくれます。裁判所が絡み破産法という法律上の手続きになりますので、多くの債権者は納得せざるをえません。

4.一定期間借金をすることができなくなる

これは、メリットでもありデメリットでもあります。ある意味ではトンチです。

自己破産をした場合、信用情報機関という消費者金融業者や銀行、クレジットカード会社が加盟している機関に事故情報として記録が残ります。つまり、ブラックリストに載るということです。

ちなみに、ブラックリストという金融事故を起こした人物名が書かれたリストというのは存在しません。あくまでも一般的な呼称です。

日本にある信用情報機関は、

  • CIC
  • JICC(日本信用情報機構)
  • KSC(全国銀行協会)

この3社があります。

この3社はCRINというシステムで情報を共有していますので、JICCにしか加盟していない消費者金融業者を利用して自己破産をしたとしても、3社すべてに自己破産をしたという情報がいきわたります。

CICについては、自己破産の情報収集を止めていますが、5年間はCICに登録しているクレジットカード会社や消費者金融業者からはお金を借りることができません。

また、JICCは消費者金融業者が多く加盟している機関であり、自己破産をすると5年間は金融事故として記録が残り、消費者金融業者からお金を借りることができません。

そして、KSCは銀行が加盟している機関であり、他の機関よりも長く10年間はお金の融資を受けることができません。

この間、借金をする癖、浪費癖がある人の場合、お金を借りることができないので、借金癖や浪費癖を改善させることができるでしょう。つまり、お金を借りることができなければ、浪費も借金もできないので悪癖を治すことができるでしょう。

ちなみに、個人再生の場合も自己破産と同じ期間ブラック状態になりますが、個人再生では再生計画に沿って3年間をかけて借金を完済します。完済時が起点になりますので、ブラック状態は単純に個人再生の方が長くなります。

任意整理でも完済時がブラック状態の起点になりますので、8年は借金をすることができません。

そのため、ブラック状態の期間は、「任意整理<自己破産<個人再生」の順で長くなります。

5.一定の財産を合法的に残すことができる

自己破産をしたら、全ての財産を取り上げられて無一文で放り出されてしまうわけではありません。破産者は財産の内、破産財団というものを構成する財産だけが取り上げられ、換金処分されてしまいます。

それ以外の財産は、破産法34条3項1号に記載されている法定自由財産として手元に残すことが可能です。現金なら99万円までを手元に残せます。

自己破産というのは、破産者の経済的な更生をはかるものですから、全ての財産を取り上げてしまっては本末転倒というわけです。

他にも財産として残せるもの、差し押さえることが国税徴収法にて禁止されているものも手元に残すことができます。

  • 破産者の生活に必要不可欠な衣服、寝具、家具(テレビ、冷蔵庫、タンス、エアコン)、仕事道具
  • 20万円以下の財産(自動車・預金・保険の返戻金)
  • 生活に必要な1ヵ月分の食糧・燃料
  • 給料・退職金・賞与の4分の3(例外あり)
  • 年金給付を受給する権利
  • 失業保険を受給する権利

このようなものを合法的に手元に残すことができます。

現金についての注意点ですが、自己破産をする直前に預金を下ろして現金化した場合、それは無効とされ、現金ではなく預金として扱われます。

また、20万円以下の財産と記載をしましたが、地方裁判所ごとに基準が異なります。

さらに、東京地裁の場合、現金を33万円以上持っている場合、引継予納金20万円を裁判所に収める少額管財事件となります。これは東京地裁だけのおかしな運用なので注意をしてください。

6.自己破産の弁護士費用は安い

個人再生と比較をすると、自己破産の弁護士費用は安く済みます。

たとえば、アディーレ法律事務所の弁護士費用を参考にすると、

  • 同時廃止事件:29万1600円
  • 管財事件(少額管財事件):41万0400円

このようになります。

少額管財事件の場合、引継予納金として最低20万円が必要です。管財事件の場合は50万円の予納金が必要となりますが、少額管財事件を運用している裁判所では少額管財事件を利用するのが一般的です。

同じくアディーレ法律事務所の個人再生の弁護士費用は、

  • 住宅ローン特例あり:51万8400円
  • 住宅ローン特例なし:41万0400円

このようになります。

なおかつ、東京地裁の場合は必ず個人再生委員の報酬が必要となりますので、プラス15万円が必要です。

concierge
管財事件にさえならなければ、個人再生よりも安く自己破産ができます。
弁護士費用については、債務整理に特化している弁護士事務所は後払いや分割払いを認めていることが多く、相談料についても初回無料としている場所が多くあります。債務整理を検討している人物が一括で報酬を支払えるとは考えていませんので、弁護士費用などはそこまで気にする問題ではありません。

7.生活保護を受ける場合に利用できる

生活保護の受給を考える場合、借金があると生活保護を受けることができません。生活保護の財源は国民の税金です。そのため、借金返済という私的な理由で使用されては困るので借金をなくしてからでないと生活保護を受けることができません。

concierge
そのため、全ての借金を免除することのできる自己破産は生活保護を受け再起を図るためには非常に有用な手段です。

8.自己破産後に得た収入はすべて自分のもの

自己破産の手続きが終了した後に手に入れた財産はすべて自分のものです。債権者へ返済する必要は一切ありません。

自己破産に頼らずに借金を免除する方法

自己破産に頼らずに借金を免除する方法が、もう一つあります。それが、借金の時効を迎えるというものです。借金には時効というものがあり、時効を迎えた場合、所定の手続きをおこなうと借金が免除されます。

この方法を利用すれば自己破産をせずに、借金の時効を待った方がいいのではないだろうかと考える人がいると思いますが、はっきり言って悪手です。

借金の時効は、銀行や消費者金融業者などの商取引の借金は5年、個人的に借りたお金は10年で時効を迎えます。考えようによってはそこまで長い期間ではないでしょう。しかし、時効は様々な手続きにより中断をしてしまいます。

たとえば、債務者がその借金を自分のものであると認めた場合(債務の承認)、時効は中断します。この自分の借金であるということを認める行為というのは非常に簡単で、1円でも返済をしてしまったら借金があると認めたことになり、時効までの期間はリセットされます。

また、債権者が裁判を起こす前に、督促の書類や内容証明郵便を送付すると、時効までの期間を一時的に中断することができます。中断される期間は6ヶ月になりますが、この間、債権者は裁判の準備をするのが一般的です。訴状の提出がされたり、仮執行宣言がおこなわれたりした場合も時効は中断されます。

借金の時効を迎えるのは非常に難しく、簡単なことではありません。金融機関もわざわざ債務者を放置するとも考えにくく、あの手この手で時効を中断させようとします。これは、金融機関に認められた正当な権利です。

仮に、債権者がうっかりしていて時効を迎えた場合、すぐに借金が免除されるわけではありません。借金が時効を迎えたことを書類を用いて証明する必要があり、内容証明郵便などで債権者に知らせます。

時効を迎え、借金が免除になることを「時効援用」と言います。

この時効援用ですが、前述した信用情報機関に登録をされます。つまり、銀行や消費金融業者はローン審査をする際に信用情報機関に登録されている個人信用情報を参照するわけですが、その人物が援用時効をしたという過去がばれてしまうわけです。

そのため、貸し倒れリスクの高い顧客に対して、消費者金融業者、銀行、信用金庫であっても一切融資をしません。なぜなら、借金を踏み倒した過去があるからです。

そのため、2度と金融機関からお金を借りることができなくなります。

このように、自己破産を利用せずに時効援用を利用しての借金免除は法律で認められてはいますが、一生、金融機関からお金を借りることができない大きなリスクがあります。

5年~10年我慢するのであれば、自己破産をしてしまい、ブラック状態になってしまった方がましといえます。10年経過することで自己破産をした過去というのは、自己破産時に迷惑をかけた金融機関以外では知ることができなくなるのですから、自己破産をした方が精神的にも有利でしょう。

まとめ

自己破産のメリットについてですが、

  1. 借金がなくなる
  2. 強制執行がされなくなる
  3. 関係者の調整が楽
  4. 一定期間借金をすることができなくなる
  5. 一定の財産を合法的に残すことができる
  6. 自己破産の弁護士費用は安い

このようなものがあります。

自己破産の一番のメリットは合法的に借金を免除させることができる点にあります。そのほかのメリットについては、おまけ程度の認識でいいかもしれません。

自己破産以外の方法で、借金を全額なくす方法には「時効」というものがあります。5年~10年間、逃げ切れば時効となります。しかし、時効になった場合、信用情報機関の個人信用情報に「時効援用」を行ったという記録が残ります。

結果、また借金を踏み倒されるのではないのだろうかと警戒されて金融機関からの融資は一切不可能となります。

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