自己破産の準備期間からブラックリストがあけるまでの期間を徹底解説

[voice icon=”/wp-content/uploads/man_tag.png” name=”man” type=”r”]自己破産にはどれくらいの期間がかかるのでしょうか?[/voice] [voice icon=”/wp-content/uploads/concierge_tag.png” name=”concierge” type=”l”]手続により異なります。短ければ3ヶ月、長ければ1年以上程度はかかります。[/voice] [voice icon=”/wp-content/uploads/man_tag.png” name=”man” type=”r”]最長で1年以上ですか?[/voice] [voice icon=”/wp-content/uploads/concierge_tag.png” name=”concierge” type=”l”]はい。準備期間なども含めればもう少し長くなりますが、免責許可決定が下ればそれで自己破産は終わりです。[/voice] [aside type=”boader”] ということで、今回は自己破産が完了するまでの期間について紹介をします。自己破産をするためにはどのくらいの期間がかかるのでしょうか。また、自己破産が終わったあとに借り入れやクレジットカードが作れるようになるまでの期間についても紹介をしていきましょう。[/aside]

自己破産の期間

自己破産は、4つの段階に分けることができます。

[aside type=”boader”] つまり、

  1. 第1段階・弁護士へ依頼し、書類を集める準備期間:3ヶ月~半年程度
  2. 第2段階・破産手続開始申立~破産手続開始決定の期間:1週間~1ヶ月程度(同時廃止の場合)
  3. 第3段階・免責申立~免責許可申立決定の期間:約2ヶ月~3ヶ月
  4. 第4段階・自己破産完了後~ブラックリストから名前抹消の期間:5年~10年

この4段階です。[/aside]

4段階目の自己破産完了後~ブラックリストから名前抹消の段階については、自己破産の法的な手続きが完了しているのである意味では蛇足です。

しかし、自己破産をした後の人が気になるものは、クレジットカードを作ったり、ローンを組んだりするためにはどのくらいの期間待つ必要があるのかという点であると思います。

申込みをおこなっても審査落ちをしてしまうので、もしかしたら一生クレジットカードやローンを組むことができないと落ち込んでしまうかもしれません。

[voice icon=”/wp-content/uploads/concierge_tag.png” name=”concierge” type=”l”]今回は、自己破産完了後~クレジットカードやローンを組むことができるまでの期間についてもあわせて紹介をしていきます。[/voice]

自己破産は債務者の経済的な更生を促す法律です。そのため、一生不利益をこうむるということはありませんので安心をしてください。

第1段階・弁護士へ依頼し、書類を集める準備期間

[aside type=”boader”] 第1段階である、弁護士へ依頼し、書類を集める準備期間というのは、自己破産をするための期間としては忘れてしまいがちです。[/aside]

この期間は「3ヶ月~半年程度」です。弁護士に依頼しようがしまいが、3ヶ月~半年の期間は書類の準備や着手金の支払いのためには必要になります。

弁護士に相談

弁護士・司法書士事務所などで相談をおこないます。相談料については初回無料としているところが多く、自己破産以外の債務整理の方法の検討をしましょう。自己破産以外にも債務整理には、借金を圧縮する民事再生(個人再生)や返済スケジュールの見直しができる任意整理などがあります。

また、その弁護士・司法書士が信頼に値する人物なのかも判断をしましょう。すべての弁護士・司法書士が優良な人物ではありません。悪徳弁護士などにあたってしまうと、不必要なお金を支払う羽目になりかねません。

正式に依頼

自己破産を法律相談事務所に正式に依頼をします。このとき、法律相談事務所との間に委任契約を締結します。

受任通知の送付

法律相談事務所と委任契約を結んだら、数日以内に各債権者へ「受任通知」を送付します。この受任通知を受け取った債権者は、借金の取立て行為一切をすることができなくなります。

[aside type=”warning”]受任通知を送付した後に、特定の債権者へ個別に返済をしてしまうと偏頗弁済という免責不許可事由に抵触します。つまり、債務者はすべての債権者へ一切の返済をしてはいけません。[/aside]

準備期間の開始

受任通知を送付したことにより、すべての収入が債務者のものとなります。この収入の中から、予納金の積み立て、弁護士・司法書士費用である着手金を先に分割払いをします。着手金が払い終わるまで、弁護士・司法書士は破産手続開始申立をおこないません。

また、この間に自己破産をするために必要書類の準備をしなければなりません。

まず、2~3ヶ月分の家計の状況を示すために家計簿の作成をおこないます。さらに、資産明細目録の作成、預金通帳・給与明細の用意、財産目録の作成などの必要書類の準備をします。

[aside type=”boader”] 特に家計の状況を示す家計簿は、申立前から2~3ヶ月以内の収支の状況を付ける必要がありますので、普段から家計簿を付けている債務者でない限り、準備期間には最短でも2~3ヶ月間を要するわけです。[/aside]

第2段階・破産手続開始申立~破産手続開始決定の期間

 財産がまったくない場合は、破産手続開始決定の同時廃止が決まります。同時廃止事件の場合は、2ヶ月後に第3段階へと進みます。

[aside type=”boader”] 一方、管財事件の場合は同時廃止事件とは異なります。

管財事件になる場合は、一般的には一定額以上の財産を持っている場合(配当可能事件)ですが、

  • 申立て時または近い過去に個人事業主や取締役(会社の代表取締役)である場合
  • 財産関係の調査が必要であると裁判所が判断した場合

などのときは、管財事件になります。[/aside] [aside type=”boader”] 財産関係の調査が必要であると裁判所が判断した場合ですが、

  • 偏頗弁済をした可能性がある
  • 破産申立ての理由に極端な浪費や賭博による奢侈行為(しゃしこうい)などの免責不許可事由がある

このような免責不許可事由に抵触する可能性があると判断された場合、管財事件になることがあります。[/aside] [aside type=”boader”] 地方裁判所により、判断が微妙に異なりますが、

  • 一定額以上の財産がある
  • 申立て時または近い過去に個人事業主・会社の取締役だった
  • 偏頗弁済・浪費・賭博などの免責不許可事由がある

このような場合には基本的に管財事件となります。[/aside]

管財事件になると、同時廃止事件と比べて6ヶ月以上は自己破産完了までの期間が長くなります。また、裁判所へ納める予納金の額が50万円と高額になります。

破産手続開始の申立

必要書類が揃い、着手金の支払の目途がついた時点で自己破産を裁判所に申立てます。

[aside type=”boader”] 東京地裁の場合は、弁護士と委任契約を結んでいるうえ同時廃止事件の場合、即時面接という制度により、弁護士と担当の裁判官が面談をおこない、その日の17時までには、破産手続開始が決定されます。[/aside]

破産審尋

即日面接を利用できない債務者の場合は、破産審尋へ進みます。

通常、申立て~破産手続開始決定までの間に、裁判官と代理人の弁護士・債権者の3人で審尋つまり面接をおこないます。弁護士が代理人ではないときは、裁判官と債務者の2人で審尋をおこないます。

審尋の内容としては、裁判官が資産や負債額、そして借金を作ってしまった経緯などの事情を聴き、同時廃止事件にするべきか、それとも管財事件にするべきかを検討します。

[aside] 資料が十分にそろっている場合は、この破産審尋が省略されることもあります。
[/aside]

同時廃止事件の場合

破産開始決定の確定

破産審尋から数日~1週間程度で、自己破産手続と同時廃止が決定されます。

開始決定・同時廃止の旨については、裁判所から各債権者へ通知されます。

また、この際、破産手続開始決定の確定がされたことを公告するために、官報に掲載されます。

[aside type=”boader”] この2ヶ月後を目安に免責審尋期日が指定をされます。[/aside]

管財事件の場合

[aside type=”boader”] 自己破産で管財事件になった場合、どの程度の期間がかかり、破産手続開始決定が下るのか、その期間を一概に言うことができません。一般的には半年~1年以上です。[/aside]

たとえば、持ち家を持っている場合、それは立派な財産ですから競売、もしくは任意売却により換金処分して、各債権者へ売却代金が配分されます。

競売・任意売却~売却代金の配分が終了するまで破産手続きが終わりません。競売は終了までに半年~1年程度の期間がかかります。

そのため、管財事件の期間がどのくらいかかるのかは、その人の持っている財産の量や額、換金処分がしやすいかどうかなどに大きく左右されるので、免責許可決定が下るまで、半年~1年以上かかる可能性があります。

[aside] 管財事件となったものの配当する財産が無い場合は、管財事件の途中で異時廃止となります。[/aside]

免責観察型(免責調査型)の管財事件

[aside type=”boader”] 浪費・賭博などの免責不許可事由がある理由で管財事件にする場合があると前述しました。これを、免責観察型や免責調査型の管財事件と呼びます。この管財事件の場合は、1回の債権者集会で破産手続きが集結します。[/aside]

免責観察型は基本的に、破産者が誠実な人間なのか、真面目に経済的に更生する気があるのかを調査するために破産管財人が選任されます。

[aside type=”boader”] 裁判官の裁量で免責にする「裁量免責」にするかどうかを決める判断材料として、一定期間、破産者には家計簿などを付けさせ、その生活状況を破産管財人が監督・指導します。そして、問題がないのであれば免責を下します。[/aside]

この場合は、破産手続開始から3~4ヶ月程度で免責決定の許可が下ります。同時廃止とそこまで期間的な差はありません。

第三段階・免責申立~免責許可申立決定の期間

意見申述期間

破産手続開始決定の確定が官報に掲載された後から2ヶ月程度、債権者からの意見申述期間が設けられています。この間に、自己破産に異議のある債権者は裁判所で申述をします。そのための期間が、意見申述期間です。

免責審尋

[aside type=”boader”] 破産手続開始決定の確定が官報に掲載されてから2ヶ月後に、裁判所へ出頭して裁判官と面接をします。[/aside]

地方裁判所により面接の方法が異なりますが、東京地裁なら集団面接で1人あたりの審尋時間は30秒程度です。しかし、地方では個室で個別に審尋をすることもあります。地方裁判所により様々です。

意見申述期間に異議が出た場合などは、東京地裁でも個別に審尋をすることになります。

[voice icon=”/wp-content/uploads/concierge_tag.png” name=”concierge” type=”l”]基本的には、あっさり終わります。[/voice]

免責許可決定

免責審尋の際に、特に問題が無いと認められたら、免責許可審尋から1週間前後に免責許可の決定がされます。免責許可決定がされると、再度、2週間ほどの期間、官報に公告が掲載されます。

免責確定

[aside type=”boader”] 官報に公告が掲載されてから2週間程度で免責許可が確定します。[/aside]

免責許可決定から1ヶ月後に免責が確定することになります。免責許可決定が確定すると同時に復権をはたしますので、職業制限などはこの確定日を持ってなくなります。

番外・少額管財事件の期間

少額管財事件は、管財事件の予納金が50万円と高額であり、期間が半年~1年もかかるというデメリットを解決するために開発されたものです。

そのため、同時廃止事件・管財事件とは免責許可の確定までの流れが少し変わります。申立てまでは同じですが、その後の流れは微妙に違います。

[aside type=”boader”] 同時廃止事件よりもわずかに免責許可決定が確定するまで期間がかかりますが、だいたい4ヶ月~半年以内には自己破産が完了します。[/aside] [voice icon=”/wp-content/uploads/concierge_tag.png” name=”concierge” type=”l”]弁護士と委任契約を結んでいることが利用をするための絶対条件であり、すべての地方裁判所で運営されているわけではありませんが、利用できるのであれば、少額管財事件を利用した方がお得です。[/voice]

管財人面接

少額管財事件の場合、通常、破産手続開始決定の前に管財人候補となる弁護士と打ち合わせを一度おこないます。代理人の弁護士、管財人候補の弁護士、そして債務者の3人が管財人弁護士の事務所にて、打ち合わせをおこないます。

破産手続開始決定

管財人との打ち合わせの後、数日以内に破産手続開始決定が下ります。正式に破産管財人が選任され、破産管財人はすぐに破産財団用の口座を開設し、ここへ予納金を入金します。

引継予納金

少額管財事件で破産管財人が選任される場合、20万円~の引継予納金の支払いが必要となります。基本は一括払いですが、最大で4ヶ月の分割払いが東京地裁では認められています。

債権者集会

破産手続開始決定から2~3ヶ月後に債権者集会の期日が指定されます。この日は、債務者(破産者)本人も裁判所へ出頭をしなければなりません。原則平日なので有給をとる必要があります。破産管財人が裁判官と破産者・代理人弁護士の前で、財産や負債の状況を説明したのち、免責についての意見を述べます。

免責許可決定

[aside type=”boader”] 通常、債権者集会は1回で終わります。債権者集会後1週間程度で、免責許可決定が通知されます。[/aside]

少額管財事件の場合は、免責審尋が債権者集会の中で同時におこなわれますので、別途、免責審尋が行なわれることがありません。

免責許可決定の確定

[aside type=”boader”] 免責許可決定後、2週間ほど官報に公告が掲載されます。官報公告から2週間以内に債権者から不服申し立てが無い場合、さらに2週間後、つまり免責許可決定から合計で1ヶ月後に免責許可決定が確定します。[/aside]

免責許可決定の確定と同時に復権をはたしますので、破産者として受けていた職業制限などの不利益は一切なくなります。

第4段階・自己破産完了後~ブラックリストから名前抹消の期間

自己破産をした場合、他の債務整理の方法とは異なり、借金の返済義務が免除されます。ただし、税金などは免除にはなりません。

また、自己破産をした記録というのは金融事故として、信用情報機関の個人信用情報に残ります。金融事故が個人信用情報に載っている期間がいわゆるブラックリスト状態です。一般的に自己破産後、5年~10年は自己破産の記録が残ります。

[aside type=”boader”] 日本には、

  • CIC
  • JICC
  • KSC

といった信用情報機関があります。[/aside]

CICは、クレジットカード会社が多く加盟をしており、JICCは貸金業を営む消費者金融業者、そしてKSCは銀行・信金・農協が加盟をしています。

CICの場合、現在では官報を収集していませんので自己破産をしたとしても、3ヶ月以上連続滞納をした者と同じ期間、個人信用情報に金融事故情報が載ります。その期間が5年です。

JICCの場合は「破産申立」と個人信用情報に記載されて5年間は記録が残ります。

[aside type=”boader”] つまり、CICもJICCも免責決定日から5年間経てば記録が抹消されますので、以前のようにクレジットカードも消費者金融業者からの借入もすることができます。[/aside]

ただし、自己破産の際に債務を免除したクレジットカード会社と消費者金融業者は2度と利用することができないので注意をしましょう。

そして、KSCですがKSCは信用情報機関の中で唯一官報をデータとして収集をしています。

[aside type=”boader”] KSCは官報データを10年間保有しますので、CICとJICCとは異なり、自己破産後10年間は、KSCが加盟している銀行の審査には通りにくくなります。[/aside]

たとえば、銀行が提供している教育ローン、住宅ローン、自動車ローンなどに申込もうとした場合、10年経過していなければ審査通過は厳しくなるといえます。

[aside] ただ自己破産をした本人が申込んでも審査通過は難しいですが、家族が申込めば家族の個人信用情報には自己破産をした記録はありませんので審査に通過します。[/aside] [aside type=”boader”] つまり、自己破産をしてから

  • クレジットカードを作るには5年
  • 消費者金融業者から借入をするなら5年
  • 銀行でローンを組むには10年

となります。[/aside]

中堅の消費者金融業者の場合、ブラックリストに載っていても総合的に審査をしますので、借入をすることができますが、高金利であり取立ても厳しいので、なるべくは利用しないようにすることをおすすめします。

まとめ

[aside type=”boader”] 自己破産の期間は

  1. 弁護士へ依頼し、書類を集める準備期間:3ヶ月~半年程度
  2. 破産手続開始申立~破産手続開始決定の期間:1週間~1ヶ月程度(同時廃止の場合)
  3. 免責申立~免責許可申立決定の期間:約2ヶ月~3ヶ月
  4. 自己破産完了後~ブラックリストから名前抹消の期間:5年~10年

このようになります。[/aside]

2番目の破産手続開始申立~破産手続開始決定の期間は、同時廃止の場合が1週間~1ヶ月程度ですが、財産のある管財事件の場合、半年~1年以上はかかります。

少額管財事件の場合では、申立てから免責許可決定の確定まで4ヶ月~半年間はかかります。

[aside type=”boader”] また、自己破産をしてから

  • クレジットカードを作るには5年
  • 消費者金融業者から借入をするなら5年
  • 銀行でローンを組むには10年

の期間が必要となります。[/aside]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です